Tai-Maxの日記

私たちは日々の生活の中で膨大な量の情報にさらされています。知りたいことがあればインターネットを使ってすぐに調べることができます。まさに情報社会です。 しかしそんな情報に対する私たちの態度はどうでしょうか。 簡単に手に入る情報を鵜呑みにしてしまったり、そもそもよく調べないまま上辺だけの知識に留まってはいないでしょうか。 情報に対して受動的ではなく、能動的な態度で挑もうというのが『思考日記』のテーマです。 ここでの内容はあくまで個人的見解なので、異論は受け付けます。 ​皆さんも一緒に思考してみてください。

【思考日記】「正しさ」とは!?

哲学を勉強し始めてから抱いてきた疑問が、大森荘蔵を読んで何となく解消されたような気がする。と同時に、抽象的なイメージとして自分の中にあった考えが巧みな言葉で紡ぎ出されていく様を見て感動した。これまでずっと科学的なモノの見方と現象学的なモノの見方のどちらが正しいかを考えていて、私は後者の立場だった。でも大森荘蔵はどちらも支持する。客観的に正しいものが存在しているのではなくて、我々の命を懸けた生活の中で慣習となったものが「正しいもの・こと」として認識されるということを述べている。そしてその慣習とは知覚的か非知覚的かということで分別できるとのこと。短命の音(音は一瞬で鳴りやんでしまう)などよりも持続して実在する物(机の上にある本など)の方がより知覚的で「より正しい」という評価を受ける。一瞬で消えてしまった人影は非知覚的であるため「正しさ」が減少する。「正しさ」とは我々の生活基盤(慣習)の上で初めて成立するのであって、もとから「正しさ」があるのではない。そしてその慣習は、繰り返しになるが、知覚的か非知覚的かに依存している。故に慣習が変わればある事物・事象に対する「正しさ」の評価も変わるといえる。

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