【思考日記】好きなひらがなは何ですか？～文字の美～

特別に毎週月曜日と水曜日、で１～２人の学生相手に無料レッスンをすることになった。今回の学生は１人だけだったということもあり、お互いのことや言語学習の感想なども語り合いながら授業を進めた。最初はひらがな５０音から始めたんだけど、あ行～さ行の中で、どの文字が一番難しいかと尋ねると「あ」とのこと。でも同時に「あ」が一番美しい（beautiful）と言ってくれた。これまで日本人として何回も平仮名を見てきたし、書いてきたりもしたけど、「美しい」と形容したことはなかった。でも改めて言われると、文字の形はそれぞれ違っていて、美しいものもあればそうでないものもあるなと感じた。たとえば「ふ」とか全然美しくない。（笑）

そういえばアメリカにいた頃、肩に「台所」ってイレズミ入れてる友達もいたな。

理由を聞くと「形が美しい」と言っていた。意味は教えてあげなかった。

今回の学習者は、当然まだひらがなの読み方も分からないし、なかなか上手く書くことも出来ないけど、そこに美しさを感じた。文字は音声言語を固定化したものとして機能する。だから本来、そこから意味も音も抜き取ってしまえば何も残らないはず。なのに美しさを感じ取った。なんか神秘的。

美の観点で言葉を眺めてみるのも楽しいかもしれない。