【思考日記】『時間と空間の哲学』(ベルクソン)知覚が成立する所以
我々には記憶の能力があるからこそ知覚が成り立つ。何かを認識するということは、差異を見出す必要がある。たとえば初めは自分の左側にいたAさんが歩いて右側に来た時、元にいた場所と移動したあとにいる場所では違い(差異)が生じている。この差異があるからこそ、対象に変化を見出すことが出来る。だけどこれが可能なのは、移動する前の記憶があるから。記憶がなければすべての出来事は瞬間瞬間生じては消滅するものとなってしまうはず。つまり「永遠の現在」。記憶する能力があるからこそ知覚は成立する。つまり、知覚とは過去に蓄えられた記憶であると言え、「現在」とは過去の記憶であると言える。このように考えると、純粋な現在など存在しない。